できる部下を育てるべきか、できない部下を育てるべきか

チームと組織

マネージャーは忙しい。成果を出し続けるためのアクションはたくさんあり、部下の管理、経費の管理、各種プロジェクトの納期管理などの管理業務が山程ある。さらに部下に振ることができない業務を自分自身で行ったり、思いがけないトラブルが発生すれば先頭に立って陣頭指揮を取らなければならない等々。

そこに加わるのが「部下の育成」というミッションです。1人2人の部下ならまだしも、5人・8人となってくると、育成にかかる時間も馬鹿になりません。「全員に同じ時間を使って指導をする」「優秀な一部の部下に多く時間を使って指導する」「出来が悪い部下に多くの時間を使って指導する」といったやり方がありますが、どうするのがベストなのでしょうか

優秀な部下と望む部下に重点配分

結論からいうと、優秀な部下と、指導を望む部下に重点的に時間を使うのが、投資対効果といった観点で有効です

優秀な部下は指導すれば伸びて、マネージャーを助ける存在になってくれます。彼・彼女になら安心して任せられる、という部下がいるとチーム運営は楽になります

ただし優秀な部下は自分でもよく考えて成長できるように動きを変えるので、指導に入りすぎるのは逆効果です。指導はヒントを大きな視点で出すようにすると良いでしょう

指導を望む部下も、基本的には成長意欲があるので、時間をかけて育成する価値はあります。ただしこのタイプの部下の中には、自信がなくて、マネージャーの逐一の指示を欲しがるタイプもいます。指導のセッションがこと細かい指示出しの場にならない様に気をつけましょう

全員平等や出来が悪い部下への重点配分は効果無し

逆に時間ばかりかかってチーム運営に寄与しないのは、全員に平等に指導するや、出来が悪い部下を育てて底上げをはかる、です

マネージャーとしては「全員に伸びるチャンスを上げたい」とか「出来が悪いメンバーが成長してくれれば組織全体のレベルアップにつながる」と考えるかもしれません。しかし冒頭に言ったようにマネージャーの時間は有限です。その中で時間を使う時に、使う時間を全員に平等にするということは、効果がばらけることを許容するということです。よしんば着任した当初に部下の見極めをするために、全員に時間を使うことはあっても良いですが、その後は重点配分とするべきでしょう

出来が悪い部下に時間を使うのはもっと悪い例です。奇跡みたいなストーリーを起こして、「ずっとダメだった人が再生された」という風にチャレンジしたいなら止めはしません。しかし組織というのは概ね人をよく見て処遇してきていますから、出来が悪い部下は、やはりダメなままのことが大多数です。そこに忙しい中で時間を使うのは、絶対にやめたほうが良いと思われます

組織人は周りを見ている。あとはそれに委ねるべし

こう言うと「指導が一部に偏ったら組織としての力は上がらないのでは」とか「指導をしてもらえない部下がやる気を無くしてしまうのでは」などと心配する方がいるようです。

組織人は周りを見ています。どんな人が評価されるのか、指導を受けているのか、成長しているのか等々をマネージャーが思うよりも色々と感じ取っています。
それをみて成長意欲が出てくれば、指導対象に入ってきますし、変わらなければ放っておくしかありません。後者のタイプはいくら手をかけても変わりません。
限られた時間を少数のメンバーの成長に使い、あとは彼らを見て他のメンバーがついて来るような文化を作る、というのがチーム運営の要諦だと言えますね

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