管理職の悩みダントツ1位の「部下の育成」は、業績の”次”に大事な管理職の仕事ではない

チームと組織

部下がなかなか成長しないという悩みを抱える管理職は多いと思います。人材の成長というのは基本的に本人の意識・努力・能力による所が大きいのですが、成長しない部下に悩む管理職は、成長支援を2番目の仕事として捉えていないでしょうか

ラーニングエージェンシーが実施した調査によれば、管理職の悩みの1位は「部下の育成」だそうです。この調査結果の中で興味深いのは、「部下があまり成長していないと感じる」割合が5年前の約3倍もいるということです。
そして「部下が非常に成長している」と回答した管理職は、そのほかの回答者よりも部下とのコミュニケーション時間を長く取っている傾向が見られたそうです。

このことから単純に「部下の育成にはコミュニケーション量を増やすのがカギなのか」と判断して実行しようとしてもうまくいかないでしょう。部下の育成がうまくいかないと感じる管理職に共通のマインドセットの修正が最初に必要です

部下の育成は、業績の次に大事な、管理職の仕事

部下が育たないという感覚を持つ多くの管理職は、非常に勤勉で責任感が強いことが多いです。与えられた自分自身とチームの目標達成のために昼夜を問わず努力します。プレイングマネージャー的な役割を果たしていることも少なくないでしょう。

これらの管理職のマインドセットは、「自分の最大のミッションは、業績の達成。そして”次に必要なこと”が部下の育成」です。決して「自分の最大のミッションは、業績の達成と部下の育成」ではありません。

そのためにどういうことが起こるかというと、部下の育成にかけるエネルギーと時間は、勤務先の人事制度やガイドラインで決められた最低限のものに留まります。例えば部下との個別面談は、人事制度で定められた年間目標の設定と、その達成度を評価するという、年2回のみといった感じです。

もちろんそれ以外にも部下とミーティングしたり、その場で指導をしたりすることはありますが、それらはあくまでも「業績達成のため」に行っていることです。

一方で部下の育成に気持ちを注ぎこんでいる管理職は、「部下の育成」のために時間を割き、そのための行動を取っていると言えます。部下の育成は2番目の優先順位ではなく、業績の達成と同じ重みを持って実行する必要がある、管理職の最大の仕事と認識しています

この両者の差を認識し、部下の育成は最優先事項のひとつという認識を持った上で、具体的な育成のためのアクションを実行しましょう

量の確保

人材育成のために、まずは量の確保をしましょう。どれくらいの時間を使えば良いかについては、部下の資質や仕事の種類などによっても異なるでしょうが、上記の調査の中では、「部下が非常に成長している」と回答した管理職は、部下とのコミュニケーション時間(仕事の報告以外)が月間6時間以上の割合が45.8%となり、そのほかの回答者よりもコミュニケーション時間を長く取っている傾向が見られました。

月間6時間というと、仮に部下が5人とすれば、それぞれの部下と1時間の個別面談を月に一度できます。さらに部下を集めての”育成”に特化したミーティング・ワークショップといったことを月に1時間することができる計算になります。

こういった面談やワークショップは意識的に実施しないと後回しになりがちです。また”やらなければならない”業績達成のためのアクションによってスケジュールが埋まってしまいがちです。できれば月初や3ヶ月分くらいをまとめてスケジュールを確保し、必ず一定量のアクティビティができるようにしましょう

質の確保

量x質=成果物が決まるわけですから、次に高めるのは質です。これは継続性x事前準備x毎回の部下との会話、の掛け算で決まります。

継続性については、前段の量の確保の所で書いた様に、定期的に部下と”成長””育成”に特化した会話を重ねることがポイントです。人間はよほどの事が無い限り、継続的に刺激がないと、現状維持になってしまう性質があるので、成長・育成に関しても、一回すごい話をして後は任せた、よりも、毎月話をしていって、部下の体や気持ちに染み込むように成長することへの動機づけができていく、という方が効果があります

事前準備については、部下の成長に関わる会話をする前に、”目指すべき成長のゴール””ゴール達成のために取るべきアクション””それを部下本人の言葉で語らせるシナリオ”といったことに関しての準備をしましょう。

最終的には部下が自分で成長するモティベーションを感じて、自分で決めた成長のためのプログラムを実施している、という風に持っていく必要があります。そこに自然に持っていくためには、事前のシナリオ作りが必須です。決して部下との会話だからと気を抜いて流れに任せてしまうのではなく、シナリオを作ってゴールを目指すことを行ってください

毎回の部下との会話は、前述のシナリオをベースに、しかし部下が見せる反応を十分に取り入れて、何を行っていくかを決めていってください。この会話を重ねていくと、部下が見せる反応はある程度は予測がつくようになると思います。しかし人間は複雑なので、予想もしなかった反応をすることもあります。その際に事前のシナリオに固執してはいけません。部下が見せた反応の意味を咀嚼して、どう対応するのかが良いのかを俊敏に判断して会話をしましょう

部下の成長は管理職のベネフィット大

こういった手順に従って部下の成長を手助けしていく訳ですが、なんで?と思う人も少なからずいると思います。部下が成長したからといって自分が評価されるわけでもないし、と思う場合もあるでしょう。

しかし部下の育成がうまくいくと、こう実感すると思います。「いままでは自分が一人で奮闘していたが、同じマインドセット・視点を持ち、一から十まで指示しなくても成果を上げてくれる部下がいるということは、管理職である自分の時間の確保・余裕の創出、ひいては、管理職である自分自身の成長にもつながるんだな」ということを。

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