OKRという目標設定の手法があります。この手法の良いところは、目指すべき姿を具体的に描いて共有化するやり方なので、数字だけで表せない目標の設定ができるところです。利益を追求していくのが企業の宿命ですから、数字・数字で目標達成に追い立てられるのは、仕方ない側面はあるとはいえ、それだけだとギスギスとしてしまい、やる気になりにくいのも、一方の事実です。
OKRという手法を使うことで、定性的に目指す姿を描きつつ、定量的に達成すべき数値の定義もできて、メンバーの気持ちをひとつにしてゴールに向かう設定ができると言えます。
OKRってなに?KPIと何が違うの?何がメリット?
Objective Key Results の略で、目標と主要な結果と訳せます。目指す姿と、それが達成された時の状態を定量化したものとの組み合わせをする考え方です
KPI(Key Performance Indicator )が数値のみで表現されるのに対して、目指す姿を言葉で描く点が大きな違いと言えます
KPIだと、目標が数値化されるので、例えば社員の離職率5%未満の達成に対して、KPIとして社員満足度10%アップ、という風な設定になります。
一方でOKRだと、Objective=社員がイキイキとして働ける職場の実現、Key Results=社員満足度10%アップ、という風になります。
定性的な目標と、その実現度を表現する数値目標の組み合わせになっていることがわかると思います。この組み合わせにより、”なぜ頑張るのか”とか、”何を目指して力を合わせるのか”といった、目的意識が高まり、目標達成のモティベーションが高まることが期待できます
OKRを設定するプロセス
まず最初に実施するのは、Objectiveの設定です。この手法の肝は定性的に表現する目標にあります。従って「なぜ頑張るのか」「何を目指すのか」を考えるところから始めます。
先程の例で言えば、「社員がイキイキとして働ける職場の実現」を目標として設定する部分です。ここは組織や考え方によって、すごくバリエーションを持った設定ができます。例えば「社員一人ひとりが最大限にストレッチして目標を追いかける職場の実現」とか「社員がお互いに助け合ってゴールを達成する風土を持った職場の実現」などなど。
この目標の設定の仕方で、次のKey Resultが変わってくるのは当然でしょう。生き生きとした職場の実現を数値化された結果で表すと、例えば社員満足度のXX%向上の様になるでしょう。これが「最大限にストレッチして目標を追いかける職場」を目指すのであれば、KRは例えば売上伸長の新記録=xx%アップの達成、みたいな感じになるかもしれません。
こうしてObjective、Key Resultを作っていくことになります。
OKR活用の成功要因
この手法の成功要因は、以下の2つと言えます。
- 目標がどれだけ社員の共感を得られるものとして描けるか
- 目標と主要な結果が、納得感がある結びつきを持てるか
この成功要因から考えると、決してKey Resultから作り始めてはいけません。まずは管理職自身が自分のチームをどうしたいかを考え、場合によってはチームメンバーの意見も聞いたりしながら、メンバーが腹落ちして、これなら頑張って目指したい姿だと思える目標を設定することです。
そして、その目標に対して主要な結果(Key Result)の設定をするわけです。この時に目標との関連付けが納得感が持てることが大事です。例えばObjectiveが「既存顧客の満足度を高めた状態を作り、クロスセルで売上アップ。新規顧客の獲得にもトライ」の様に既存顧客にフォーカスしているのに、Key Resultが「新規顧客獲得150%」といった風にチグハグだったりすると、「結局は売上の数字だけが大事なんだ」の様な意識が芽生えてしまってうまくいきません。
OKRを時間をかけて設定しましょう
これまで見てきたように、OKRはゴールの状態を共有化することを軸に、Key Resultを数値設定する手法です。トップダウンで、これを目指すから後は実行あるのみ!の様に打ち出すよりも、社員との議論や対話を通じて設定していくことで、やる気になる目標が設定できるでしょう。
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